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サーフィンに必要な筋肉

どんなスポーツでも細かく言ってしまうと全身の筋肉を使うのですが(笑)、そう言っては意味がないので、ここではサーフィンで特に多く使う筋肉について書きます。


サーフィンは9割がパドリングだ、と言われることがあるように、パドリングは時間的にもサーフィンの大部分を占め、技術的にも上達の基礎となるものなのでとても大切です。
パドリングに使う筋肉が弱くては沖に行けませんし、疲れて休んでしまうようでは波に乗る回数も減ってしまいます。
そのためパドル時に使う筋肉が一番重要になってきます。
パドリングに使う筋肉に“パドル筋”などという名称が付けられていることからも、その重要度がうかがえますね。


では、パドリングに必要な筋肉から順に、それぞれの場面で必要な筋肉を見ていきましょう。


パドリングで、腕をかく時に主に使う(必要な)筋肉                                
@上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)
A三角筋(さんかくきん)
B広背筋(こうはいきん)


◆@の上腕三頭筋は、いわゆる腕の“力こぶ”の反対側の筋肉で、物を押したりする時に主に使われます。
パドリングでは、とらえた水を体の後ろに持って行く(押す)時に使います。Bの広背筋よりも小さい筋肉であるため疲労度も大きく、また普段の生活では発達しづらい筋肉なので、初心者の人はここが一番痛くなるかもしれません。
逆に言うと、ここを鍛えるだけでだいぶ楽になると思います。


◆Aの三角筋は肩の筋肉で、腕を上げたり回したりする時に主に使われます。
パドリングは常に腕を回していますので、この筋肉も常に使っていることになります。


◆Bの広背筋は、腰から背中にかけて広がり腕の付け根につながる大きな筋肉で、背筋の一部です。物を引く時に主に使われます。逆三角形の背中を作る筋肉と言えば分かりやすいかもしれませんね。
パドリングでは、水を体に引き寄せて更に後ろに持って行く間、つまり腕を水に入れている間ずっと使う大切な筋肉です。
大きな筋肉であるので比較的疲れにくくまたパワーも出しやすいので、パドリングではこの筋肉を上手く使うことがポイントとなります。


※腕をかく時は胸筋も少し使いますが、それよりも広背筋を使う割合の方が大きいし、何よりも広背筋を使うことを意識しないとパドルは上手くならないため、ここには入れないことにします。
胸筋は後述のスタンドアップで取り上げています。トレーニングも、初めはスタンドアップの場面を想定して行うもので充分です。結果としてパドルの時に必要な筋肉は付きます。


パドル時、上体を反らせるために主に使う(必要な)筋肉                             
C脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)


◆脊柱起立筋は、背中の下中央部にある背筋の一部で、背骨を支えている筋肉です。上体の姿勢を保つ働きをしていて、そのため立っているだけで常に使われています。


うつ伏せで上体を起こす場合はこの筋肉を使います。パドリングでは常に上体を反らすことが必要で、この反りが上手いパドリングの第一歩となります。


※上手く反るためには、腹筋も必要です。腹筋も鍛えないとバランスが悪くなり腰痛の原因にもなるので注意しましょう。
腹筋は後述の「スタンドアップ」「コントロール」を想定したトレーニングをしていれば充分です。


スタンドアップの時に主に使う(必要な)筋肉                                    
D大胸筋(だいきょうきん)
E腹直筋(ふくちょくきん)


◆Dの大胸筋は、文字通り胸にある大きな筋肉ですね。いわゆる胸板と言われる箇所です。腕を動かしたり物を前に押したりする時に主に使われます。
スタンドアップの時には、素早く上体を押し上げるために使います。


◆Eの腹直筋は、腹部の中心を縦に走っている筋肉で、体を縮める時に主に使われます。腹筋の一部であり、腹部が6つに割れて見えるのはこの筋肉があるからです。
スタンドアップは崩れる波の速さに負けない素早さが大切ですが、腹直筋を鍛えることによって腿の引き付けが強くなり、素早いスタンドアップが可能となります。


スタンドアップの後、ボードをコントロールするのに主に使う(必要な)筋肉                  
F腹斜筋(ふくしゃきん)
G大腿四頭筋(だいたいしとうきん)


◆Fの腹斜筋は、腹直筋の左右にある斜めに走っている筋肉で、腹筋の一部です。上体をひねる時に主に使われます。
ボードのコントロール(全てのコントロールではない)は、上体のひねりを下半身を通してボードに伝えることで行います。


◆Gの大腿四頭筋は、ももの表側の筋肉で、膝を伸ばす時や、曲げて踏ん張っている状態(空気イスの状態)を維持する時に主に使われます。
ボードの上では、常に膝を曲げて下から来る波のパワーを受け止めたり吸収したりしなければなりません。また、Fの腹斜筋による上半身のひねりを上手くボードに伝える時にも、この大腿四頭筋が大切な役割を果たします。


それ以外の筋肉は                                                
以上が、サーフィンで特に多く使う筋肉です。
他にも、周辺の細かい筋肉や腕やふくらはぎといった筋肉もありますが、それらは@〜Gを鍛える時に連動して、自然にある程度鍛えられます。


初めは、@〜Gの筋肉を集中的に鍛えることが大切です。
そして、@〜Gのトレーニングを充分行った後で、足りないと思ったりパワー不足だと感じる箇所があったら、その時に該当箇所を個別にトレーニングするという方法をとるといいでしょう。


トレーニングにおける優先順位

上で見てきたものは、サーフィンにとってはどれも重要な筋肉なのですが、初心者の人のトレーニングにおける重要度としては、
上腕三頭筋 = 広背筋 ≧ 脊柱起立筋 = 腹直筋 > 大胸筋 > 三角筋 = 腹斜筋 = 大腿四頭筋
という感じでしょうか。


「上腕三頭筋 = 広背筋」について
やはりパドリングが一番重要です。この部分はパドリングの要であって、しかし普段はほとんど使われていない筋肉なので、意識的に一番多くトレーニングする必要があります。


「脊柱起立筋 = 腹直筋」について
この部分もパドリングで使う重要な筋肉です。しかも、腹筋・背筋はどんなスポーツをするにも最も重要な筋肉になります。
ではなぜ「上腕三頭筋 = 広背筋」より一つ下げたかというと、「上腕三頭筋 = 広背筋」が普段ほとんど使われない筋肉であるのに対して、特に脊柱起立筋は皆ある程度持っているからです。サーフィンをするにはもちろん全然足りないのですが。
ということで、少し差をつけて「≧」としました。でも、実はほとんど「=」です(笑)。


脊柱起立筋と腹直筋をイコールにしたのは、この二つは同じように鍛えないと腰痛の原因になってしまうからです。前を鍛えたら後ろと、意識してトレーニングするようにして下さい。


「大胸筋」について
大胸筋ももちろん大切な筋肉なのですが、パドリングの筋肉よりはゆっくり少しずつ鍛えていけばいい、という意味でこの位置にしました。


「三角筋 = 腹斜筋 = 大腿四頭筋」について
こちらも少しずつでいいと思います。


実は三角筋は、上腕三頭筋、広背筋、大胸筋のトレーニングをする時に同時に鍛えられます。ですから、初めは三角筋のためのトレーニングはしなくていいです。


大腿四頭筋は、普段歩いたり走ったりしている時に常に使っているので、皆それなりに発達している筋肉なのではないでしょうか。
大腿四頭筋や腹斜筋は、もちろん力強いサーフィンをするには必要不可欠なので最終的には鍛えた方がいいのですが、やはり優先順位としてはパドリングの筋肉が一番です。大腿四頭筋や腹斜筋を鍛えるのはその後でも全然遅くありません。

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